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模擬試験や過去問題のテキストの内容を全て解けたとしても合格するのは難しい
日商簿記1級の勉強時は「プロセス」と「流れ」をつかみながら学習する
まず初めに、日商簿記1級の概要について簡単に見ていきます。
どのぐらい難しい資格かのイメージを持っていただけると幸いです。
初めにお伝えしたいのは、日商簿記1級は勉強したからといって簡単にとれる資格ではないということです。
日商簿記2級 までであれば、少し勉強をしただけで合格できる方もいるでしょう。
しかし、日商簿記1級は非常に難しいです。
その理由は、学習範囲がとてつもなく広いからです。
ちなみに、筆者は専門学校で日商簿記1級の勉強をした経験もありますが、教科書だけでトータル1000ページ以上はありました。
教科書が薄い訳ではないので、勉強するのも一苦労でしょう。
簿記のプロでも100点満点をとるのは難しいと言われているので、気合を入れて勉強する必要があるのです。
先述した通り、日商簿記1級は難しいです。
ただ、取得すれば良いことがあります。
それは、税理士試験の受験資格を与えられることです。
大学や専門学校で 簿記 の勉強をしていない方でも、日商簿記1級を取得すれば、税理士試験にチャレンジすることが可能となっています。
公認会計士や税理士を目指している人にとっては、チャンスだと言っても良いでしょう。
日商簿記1級は会計のプロを目指している方に、うってつけの資格なのです。
日商簿記1級の受験チャンスは「年2回」です。
参考までに、2017年度は「6月11日」と「11月19日」でした。
日商簿記2級と3級のように、年3回チャンスがあるわけではないので注意しましょう。
なお、合格率は10%前後です。
第146回の試験分から過去9回(2013、2014、2015、2016、2017年)の実施状況を見たところ、合格率が一番高い回は「第143回」で「10.9%」。
一番低い回は「第140回と第146回」の「8.8%」でした。
このように、合格率にあまり差がないことがお分かりいただけると思います。
つまり、どの回においても100人受験したら、10人前後しか受からない試験問題が作られているのです。
試験科目は「商業簿記」、「会計学」、「工業簿記」、「原価計算」の4つに分かれており、1科目25点満点です。
合格基準は、4科目で70点以上とれば合格となります。
ただし、70点を超えていても各科目最低10点はとらないと不合格です。
「商業簿記、会計学、工業簿記」が全て満点だったとしても、「原価計算」が10点未満だと不合格になるということです。
そのため、苦手な科目もある程度克服する必要があります。
なお、試験時間は「商業簿記と会計学」で90分、「工業簿記と原価計算」で90分の計3時間です。
途中休憩はありますが、試験時間が長いため相当な集中力が必要となります。
日商簿記1級の試験科目を詳しく見ていきます。
実際にどういう内容かを理解して、勉強に役立ててください。
「商業簿記、会計学」は会計処理を行う上で大事なエッセンスがたくさん入っているため、覚えておいた方が良いです。
出題パターンですが、商業簿記は仕訳や財務諸表、帳簿の記入など実践的な問題が出る確率が高いでしょう。
それに対し、会計学では企業会計原則のような条文の穴埋め問題や○×問題、経費などを計算するような「財務分析」における問題が出題されます。
つまり、商業簿記では浅く広い範囲で、会計学では深く狭い範囲で出題されると言っても良いでしょう。
「工業簿記・原価計算」は、製品を作るためにどのぐらいのコストがかかったか算出する際に使われます。
ただ、工業簿記と原価計算の場合、対した違いはないと思います。
なぜなら、工業簿記でも原価計算の問題が出題されるためです。
原価計算の内容をある程度覚えておけば、工業簿記も解きやすいです。
しかし、工業簿記・原価計算には落とし穴があります。
それは、ちょっとの油断で0点になることもあるからです。
例えば、小問が4問(1)(2)(3)(4)出題されたとします。
(2)を解くには(1)を解かないと答えが出ない。
(3)を解くには(1)と(2)を解かなければ解答が出せない。
(4)を解くには(1)と(2)と(3)を解かなければ解答が出せない。
という問題が時々出題されます。
(1)が解けないがために、それ以降の問題も解けず大量失点をしてしまうケースもあるのです。
「商業簿記・会計学」と比べ問題のボリュームは少ないと感じる方もいると思いますが、ちょっとのミスが命取りになるので慎重に問題を解くようにしてください。
「商業簿記・会計学」と「工業簿記・原価計算」について軽く紹介しましたが、出題問題を予測するのは危険だと言うことを覚えておいてください。
序盤でもお話しましたが、日商簿記1級の教科書はトータルで1000ページ前後あります。
1科目につき配点が25点しかないので、出題される箇所はごくわずかです。
したがって、予想が当たれば問題も解きやすいですが、予想が外れたときは全く解けないこともあります。
このような失敗をしないためにも、安易に出題問題を予測せず、どの問題でも解けるようにしましょう。
筆者も日商簿記1級を受験していますが、何度も苦労しました。
そこで、筆者が日商簿記1級の勉強をして感じたことを赤裸々にお伝えしたいと思います。
日商簿記1級の模擬試験や過去問題のテキストが販売されています。
筆者は試験の3カ月前から模擬試験や過去問題のテキストを解いてパーフェクトにしたつもりでしたが、本試験では満点がとれませんでした。
それは、模擬試験や過去問題で予想されなかった問題が出題されたためです。
マイナーな問題が出題されると、その問題を解いた経験がないため、頭の中でパニックを引き起こしやすいです。
また、応用問題が出題されるケースも多いので、 簿記 の基礎だけを覚えても役立ちません。
複数の内容を組み合わせて解く問題も頻繁に出題されます。
つまり、簿記で学んだ内容を応用して解けるかが日商簿記1級では大事なのです。
日商簿記1級に合格するには、たくさんの勉強時間が必要です。
なんせ勉強する範囲が広いですからね。
筆者の場合は、朝8時~夕方17時まで専門学校で授業を受け、その後19時~深夜0時まで勉強するということを繰り返していました。
日々のスケジュールや勉強時間の管理をしないと受かるのは難しいです。
筆者が通っていた専門学校では、同じ時期に日商簿記1級を受験する人が50人前後いましたが、合格したのはわずか「3人」だけでした。
勉強時間を割いても合格が難しい資格、それこそ「日商簿記1級」なのです。
簿記の専門学校へ通っても合格するのは難しいです。
すなわち、独学での勉強となると余計難しいということが想像できると思います。
人によりますが、日商簿記1級は仕事以外の時間を全て勉強に回すぐらいの意識で勉強しなければ、受かるのは難しいと言えます。
日商簿記1級がいくら難しいと分かっていても、取得したい方もいるでしょう。
そう思っている方向けに、日商簿記1級の勉強法を紹介します。
専門学校時代に学んだことも入っているので、ぜひ参考にしてください。
日商簿記1級は、日商簿記2級・ 日商簿記3級 で習った内容も使って解きます。
そのため、2級までの範囲で分からない箇所がないか確認しましょう。
例えば、本支店会計、為替手形を使った仕訳など、いくつか苦手な問題もあると思います。
それらの問題を理解すると、日商簿記1級を解けやすくなるでしょう。
ただ、2級・3級の問題を一から書いて解くのは時間がもったいないです。
そのため、下記の方法を実践してみてください。
何も書いてない空欄の問題集(2級・3級)を用意し、目視で問題を解くのみです。
解けた問題は理解できているのでスルー。
解けなかった問題は付箋を貼り、問題集を見返したときにどこが苦手だったか分かるようにしましょう。
問題集を一通り解いたら、分からなかった問題箇所を理解するために教科書や参考書を使って復習します。
その後、付箋が貼ってある箇所のみを先程と同じ方法で解き、出来たら付箋を剥がしていきます。
このように継続すれば、苦手だった問題が減るはずです。
通勤途中にもできるため、時間の有効活用をしながら勉強することができます。
日商簿記1級を勉強するときに、公式だけを覚えて解くのは非常に危険です。
なぜなら、解き方を理解しないと応用問題に使えないからです。
また、会計学では簿記の理論について出題される確率が高いため、「プロセス」や「流れ」を理解しておかなければ、簿記の理論を解くのも難しいのです。
逆に理解すれば会計学も解きやすいはずです。
ただし「プロセス」や「流れ」をつかむときにも、いくつかのコツがあるので紹介します。
問題を解く際には、プロセスや解き方を記載する別紙を用意しましょう。
中には、解答用紙の隅に記入する人もいます。
しかし、それだと解き方が記載された字が見づらくなっており、読めない可能性も出てきます。
それを防ぐためにも、別紙に大きな文字で分かりやすく解き方を記入した方が良いのです。
また、後日解き方を見直せるように、別紙を保管しましょう。
保管の際は、何の問題を解いたか分かるようにタグを付けると良いです。
すると短時間で見つけられるので楽です。
模擬試験や過去問題の答え合わせをするときに、解答しかチェックしない人は危ないでしょう。
なぜなら、その解答が正しい解き方で計算された答えか分からないからです。
間違った解き方で解いても、偶然正しい答えが出ることもあります。
ただ、それを放置すると本試験で痛い目に遭う場合も。
正しい解き方を身に付けるためにも、答え合わせをする際は解答だけではなく、解き方が合っているかもチェックしましょう。
ほとんどの場合、問題集やテキストに解き方が書いてあるので、参考にして自分の解き方が正しいか確認してください。
数式で解けない場合もあると思います。
その場合は、図を活用するのも良いでしょう。
代表例として挙げられるのが、パーシャルプランの標準原価計算問題です。
「操業度差異、予算差異、能率差異」を求めるときに、三角形を書いて計算する方法もあります。
図面を書いて解くと「なぜこの数字が答えになるのか?」がより具体的に分かりやすくなるのでおすすめです。
ただし、図面を書き慣れていないと億劫に感じるので何度も書いて覚えましょう。
テキストを見ても分からない箇所もあると思います。
そんなときに、質問できる人を見つけておきましょう。
1番のおすすめは、専門学校講師です。
なぜなら、日商簿記検定試験に受かるための授業を日々行っているから。
効率良い勉強方法を知っており、上手な解説をしてくださる方が多いでしょう。
日本全国に専門学校はあるので、話だけでも聞いてみてはいかがでしょうか。
税理士や公認会計士は、会計のスペシャリストなので日商簿記1級で分からないことがあっても、答えてくれるでしょう。
仮に会計事務所で働いていないとしても、顧問契約を結べば教えてもらえるかもしれません。
ただ、質問したからと言って100%答えてもらえるかは怪しいですが…。
経理で働いている同僚に聞くのも一つの手です。
日商簿記1級合格者、受験者であれば質問に答えてもらえることもあります。
特に大学時代に税理士科目を学んでいた人であれば、日商簿記1級に関するスキルもそこそこあるでしょう。
お金もかからないので、コスパ的には良い方法かもしれません。
独学だと効率良く学習したり勉強ペースを保つことが難しい状況が出てきますよね。
そんな時に活用したいのが、日商簿記1級の取得を目指す方向けにカリキュラムを用意している通信講座です。
わからないところを聞くことができたり、オンラインで受講できるため、空き時間を有効活用することができるでしょう。
ここでは、チェックしておくべき通信講座をご紹介します。
資格の受験指導歴が50年にもおよぶ歴史ある「クレアール」が運営している通信講座です。
日商簿記1級を受験する方向けの講座だけでも5つほど用意されており、予算感やレベルに応じてラインナップが豊富なところが魅力的。
テキストと問題集に加え、本試験さながらの模擬試験がセットの講座もありますので、より実践に近い形式で学んで行きたい方にはおすすめです。
新傾向や新しい試験範囲の変更や改正点も教えてくれますし、毎日電話やSkypeを通じて疑問点を解消することができます。
仮に合格できなかった場合でも、1年間の受講延長もできるほどフォローアップが充実していますよ。
「ヒューマンアカデミー」が運営している通信講座です。
日商簿記検定1級【安心合格】講座があり、これまでの試験データに基づいて、試験に出やすかったり試験に出る可能性がある範囲をしっかりと学ぶことができます。
徹底的に無駄を省いて効率良く学習できるのがポイントで、映像学習システムを用いながら、PC・スマホ・タブレットどれからでも24時間受講をすることが可能となっています。
また、メールで質問がし放題ということもあり、わからない箇所はスムーズに潰していけるのが良いですね。
最後に、日商簿記1級取得で就職が有利になるか見てみましょう。
これらの仕事は、簿記の専門的スキルを生かして行う業務が多いです。
そのため、就職時は有利になるでしょう。
税理士科目や日商簿記1級取得者の従業員数が多い企業ほど、求職者に専門的スキルを求める確率も上がるため、採用してもらいやすいはず。
一般企業の経理職で勤務したいと思っている方は、正直なところ日商簿記1級が有利になるかは分かりません。
多くの企業では日商簿記2級までの内容を理解しておけば良いと思っているためです。
日商簿記1級を持っていても日商簿記2級のライバルに負けることもあります。
しかも経理職として働いている人の中には簿記の資格を持っていない方もいるので、日商簿記1級を取得しただけで有利になるとは言えないのが現実です。
ただし、応募条件欄の箇所に「日商簿記1級取得者」と記載してある企業だと受験するときに有利になるでしょう。
日商簿記2級と比較して、1級は難易度が格段に上がります。
時間を有効活用し、いかに多くの内容を理解できるかがポイントとなるでしょう。
日商簿記1級を受験したことがある人、会計のプロに質問できる人以外は独学での勉強は避けた方が良いでしょう。
おすすめは専門学校での勉強です。
簿記未経験者で、会社帰りに専門学校へ通う人もいるので、ぜひ参加してみてはどうでしょうか?
日商簿記1級は相当難しいですが、会計のプロになりたい方にとっては価値ある資格だと思います。
取得するのは難しいですが、一生懸命勉強すれば合格できるはずです。
ぜひ、良い結果が出ることを願っております。
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