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企業での会計処理の流れを簿記の内容を交えながらわかりやすく説明!
決算書類は、株主への資料としても使われることがあるので正確な記帳を。
勘定科目をある程度覚えたら、帳簿作成・決算処理の勉強をしよう!
まず初めに、 簿記 とは何なのか簡単に見ましょう。
簿記がどういう面で役立つかをご説明します。
簿記とは、ローマ時代に誕生したもので会計処理上で使われる知識です。
簿記には「簡易簿記」と「複式簿記」の2種類ありますが、多くの企業では複式簿記を採用しています。
これは企業会計を行う際に「正規の簿記の原則(=複式簿記のルールを適用してねと言っているようなもの)」が採用されているためです。
複式簿記では、主に「仕訳記帳」と「帳簿作成」、「決算処理」をマスターする必要があります。
特に決算処理は決算書を毎年税務署へ提出する義務があるため、正確な数字を記入しなければなりません。
簿記のルールが分からず、いい加減な会計処理をすると場合によっては税務署から「脱税」とみなされ、多額の追徴税が発生する場合も。
企業によっては追徴税が原因で倒産する場合もあるので、会計処理の担当者は簿記の知識が必須となります!
つまり、会計処理の担当者が「舵取り」の役割をしていると言っても過言ではないのです。
それでは、実際に会計処理の流れについて見てみましょう。
大まかな流れは「仕訳記帳→帳簿作成→決算処理」の順です。
細かい内容もたくさんありますが、最低この3つの業務を理解しておけば会計処理も楽にこなせるでしょう。
この章では、これら3つの内容がどういうものか簿記のルールをお伝えしながら見ていきます。
仕訳記帳は、簿記のなかでも基本中の基本で絶対ルールを覚えておかなければなりません!
なぜなら、仕訳記帳した内容を元に帳簿作成や決算処理を行うからです。
つまり、仕訳記帳をしなければ税務署へ提出する決算書の作成ができません。
正しく作成された決算書の提出をしなければ、追徴課税など何らかの罰則を受ける可能性もあります!
会計処理のスタートは仕訳記帳から始まることを覚えておきましょう。
それでは、仕訳記帳のルールで大事なことを説明します。
まず仕訳記帳する内容ですが、取引実績が発生したもののみを記入しましょう。
「現金が減少した」、「借入金が増えた」、「売上が発生した」などいろいろとあります。
「来週、取引先から10万円分仕入れる予定」、「売上の契約を結んだ」という内容などは、あくまで約束をしただけで何の取引も発生していないので、仕訳記帳してはいけません(ただし、契約を結んで前払いしてもらったなどは、取引が発生しているので仕訳記帳します)。
次に、仕訳記帳の方法です。
仕訳では取引発生日と勘定科目、金額を1セットで記入します。
勘定科目は、主に「資産、負債、純資産、費用、収益」の5種類です。
具体的な勘定科目は下記の通りです(勘定科目は企業によって設定科目が違うため注意してください)。
また、仕訳は左右に分けて書き、左側を「借方」、右側を「貸方」と呼びます。
借方に記入するパターンは「資産、費用の増加」、「負債、純資産、収益の減少」。
貸方に記入するパターンは「資産、費用の減少」、「負債、純資産、収益の増加」です。
なお、仕訳では「貸借一致の原則」というルールが適用され、借方と貸方の金額は一致しなければなりません。
1問、例題を見てみましょう。
例.2017年5月1日に、○○商事は2017年1月31日に100円で購入した有価証券を110円で売却し現金で受け取った。
5/1(借方)現金110(貸方)売買目的有価証券100 有価証券売却益10
上記が、仕訳の解答例です。
日付を左に記入し、借方と貸方に勘定科目と金額を記入します。
日頃から仕訳記帳をしないと、どんどん溜まるので頻繁に記帳するのが大事です。
仕訳の段階でミスをすると、帳簿記入や決算処理上で金額が合わなくなり、面倒になるので気を付けましょう!
帳簿とは、取引内容が記録されている書類のようなもので「主要簿」と「補助簿」の2種類です。
主要簿とは、取引実績が発生したら絶対に記入する帳簿で「仕訳帳」と「総勘定元帳」があります。
仕訳帳とは、全ての仕訳を記帳した帳簿です。
総勘定元帳とは、仕訳の内容を勘定科目ごとに転記した帳簿を指します。
それに対して「補助簿」は、要所要所で記入する帳簿です。
補助簿には、下記の内容があります。
例えば、現金出納帳の場合は現金が絡む取引が発生したときに、売上帳は取引先へ商品を売り上げたときや売上返品・値引きしたときに記帳する形です。
なお、主要簿・補助簿ともに返金や値引きなどが発生した際は赤字で記入する、帳簿を締める際は二重線を使うというルールもあるので確認しましょう。
税務署員が立ち入り検査で帳簿をチェックすることもあるので、正確な記録が大事です。
最後に紹介するのが決算処理です。
決算処理は会計処理におけるゴール地点と言っても良いでしょう。
決算処理をする際は財務諸表と呼ばれる表を作成します。
財務諸表は「損益計算書」、「貸借対照表」、「キャッシュフロー計算書」の3つです。
これらについて詳しく見ましょう。
損益計算書とは、企業の「営業成績」を示すために作成するもので、黒字(赤字)額を算出するための表です。
「費用、収益」の勘定科目合計額を記入します。
例えば「(借方)現金100(貸方)売上100」の場合は「(貸方)売上100」のみを損益計算書へ反映させる形です。
損益計算書の記入方法は2パターンあります。
1つ目は、費用の勘定科目合計額を左側に記入し、収益の勘定科目合計額を右側に記入するパターンです。
この場合は作成するのも簡単です。
2つ目は勘定科目を、さらに用途別に分けて金額を記入するパターンです。
「売上高-売上原価-販売費及び一般管理費+営業外収益-営業外費用+特別利益-特別損失-法人税等=当期純利益」というパターンで記入します。
なお「売上高~販売費および一般管理費」までの計算で算出された金額が「営業利益(損失)」、「売上高~営業外費用」までの計算で算出された金額が「経常利益(損失)」となります。
また、損益計算書で計上金額は期内に発生したもの計上が原則です。
来期に発生する費用・収益額が分かっていたとしても、それを当期の損益計算書に計上することはできません。
「発生主義の原則」と「実現主義の原則」があるので要注意です。
貸借対照表とは、企業の「財務状態」を示すために作成する表です。
「資産、負債、純資産」の勘定科目合計額を記入します。
例えば「(借方)現金100(貸方)売上100」の場合は「(借方)現金100」のみを損益計算書へ反映させる形です。
貸借対照表も記入方法は2通りあります。
1つ目は、単に資産の勘定科目合計額を左側に記入し、負債・純資産の勘定科目合計額を右側に記入する形です。
2つ目は、勘定科目を用途ごとに分けて記入するパターンです。
資産は「流動資産、固定資産、繰延資産」。負債は「流動負債、固定負債」。純資産は「株主資本(資本金、資本剰余金、利益剰余金、自己株式)、評価・換算差額等、新株予約権、少数株主持分」に分かれて記載されます。
なお、損益計算書と比べ表記は簡単でしょう。
キャッシュフロー計算書は、キャッシュの出入りについて記入する表です。
勘定科目で言うと「現金・当座預金」に関係した取引内容の金額を記入します。
キャッシュアウトとインが計上されるので現金の流れを把握するときに便利です。
株式会社などでは、決算書類が株主宛の資料として使われることが多いです。
仮に、決算書類の内容が間違っていた場合、株主から指摘され株価の暴落につながるケースも。
そのため、経理処理を行う際は簿記の知識が必要となるのです。
簿記の勉強をしたいと思っている方は、 日商簿記検定試験 の勉強をおすすめします。
理由は2つです。
1つは、簿記の基礎知識が身に付きやすいということ。
もう1つは日商簿記の資格取得で、進学や就職に有利になる場合があるからです。
日本の簿記検定で一番有名と言われているぐらいなので、資格取得して損はありません!
なお、検定試験を受ける際は難易度が比較的低い級から、つまり「 3級 、 2級 」の順で受験すると良いです。
勉強方法が分からず簿記の勉強をしたとしても、なかなか簿記の知識は身に付きません。
そこで最後に、簿記の勉強方法を紹介します。
簿記では、勘定科目を覚えることが最重点要素だと思っています。
なぜなら、勘定科目を覚えないと仕訳記帳ができないからです。
仕訳記帳ができないということは、帳簿作成や決算処理もできず業務が止まるということ。
業務中に、この状況が起こると他の人に迷惑をかける場合も。
勘定科目を覚えるために、仕訳問題を何度も解くことが重要です!
なかには、帳簿作成や決算処理の勉強をいきなりする方もいますが、頭が混乱するケースも多いためおすすめしません。
勘定科目と聞いただけで、頭痛がする方もいるでしょう。
しかし、覚えた方が良い勘定科目はそこまで多くありません。
というのも、会計処理で使用する勘定科目は8割型決まっているからです。
頻繁に使用される勘定科目は、毎月(毎年)取引が発生するものです。
例えば、現金預金は毎月増減します。
また、定期的に発生する費用(支払家賃、通信費、水道光熱費、減価償却費)の勘定科目も、仕訳で使うことが多いです。
ただし、会社によって使用する勘定科目の種類は違うため注意しましょう!
帳簿作成、決算処理の勉強内容で大事なのは、書き方を覚えるというよりは、帳簿作成・決算処理の意味を理解することです。
なぜなら、帳簿や決算処理で使うフォーマットは企業によって違うから。
本質を理解しないと、簿記の知識を業務上で生かすのも難しいです。
また、企業によっては仕訳の内容を入力すると、帳簿や決算書類を自動で作成してくれる会計ソフトを使っている場合もあります。
そのとき大事になるのが、帳簿や決算書類上で間違いを見つけられるかです。
いくら、正確な会計処理をやっているつもりでも、何かしらミスは発生します。
帳簿作成や決算処理で、いち早く間違いに気付くためにも簿記の知識は大事になるのです。
読者のなかには、高校生の頃に簿記を習っていたという人もいると思います。
就職活動で苦労している方は、ワンランク高い簿記の勉強をして、日商簿記の資格取得を目指してみてはどうでしょうか?
きっと、あなたが理想とする仕事に出会えるはず。
経理だけではなく、営業職や経営企画、マーケティングなどたくさんの職種で簿記の知識は役立つので、転職活動で生かしてみてください。
会計処理をする際に、簿記の知識は役立ちます。
特に「仕訳記帳」、「帳簿作成」、「決算処理」で簿記の知識が発揮されるでしょう。
また、仕訳記帳は簿記のなかでも基本なので、何度も仕訳問題を解くのも大事です。
営業職や経営企画など、自社の業績を分析しながら動く職種の場合、簿記の知識が生きます。
財務諸表が読めれば、仕事の視野も広がるので簿記の知識を身に付けてみてください。
簿記初心者から経験者まで、幅広い年代の方が簿記の勉強をしております。
数字に強くなりたい方は、ぜひ簿記の勉強をしてみてはどうでしょうか?
※本記事の内容などは2017年9月現在の情報です。簿記のルールが変わったり、企業によって会計処理のルールも違うのでご注意ください。
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