「私事」の正しい使い方や言い換え表現は?例文を含めて解説します
特に「私事で恐縮ですが・・・」という表現はよく耳にするのではないでしょうか。
今回は、ビジネスシーンでよく使われる「私事」の意味や使い方を、例文を踏まえながら解説します。
本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
【目次】「私事」の正しい使い方や言い換え表現は?例文を含めて解説します
「私事」とは
「私事」は「私事で恐縮ですが・・・」というようにクッション言葉でよく使います。
そんな「私事」について、正しい意味や使い方を理解していますでしょうか。
今回は、ビジネスシーンにおいて使い勝手の良い「私事」という言葉を解説します。
「私事」の意味
「私事」は、訓読みで「わたくしごと」あるいは音読みで「しじ」と読みます。
意味はほとんど同じですが、読み方によって少し違ったニュアンスを持ちます。
「わたくしごと」の持つ意味
自分個人のこと。また、私生活に関係したこと。
他人に知られたくない秘密。かくしごと。
「しじ」の持つ意味
公的でない、自分だけに関係した個人的な事柄。
自分だけのこととして、秘密にしていること。
どちらも意味としてはほぼ同じですが、「しじ」という読み方をすると、「指示」「支持」など、他の言葉と混同してしまいがちです。
そのため、口頭ではあえて「わたくしごと」と言うことの方が多いです。
「私立」を「わたくしりつ」と、「市立」を「いちりつ」とあえて言い分けるのと同じですね。
「私事」の使い方を学ぼう
「私事」は個人に関係した事柄を表します。
例えば、冠婚葬祭や病気などを指したり、あるいはプライベートな事柄の明言を避ける時にも使用します。
会社に有給申請をする際にもよく使うのではないでしょうか。
「私事」の使い方の例文
「私事で申し訳ないのですが、通院のため明日はお休みさせていただきます。」
「明日より3日間、私事でお休みをいただきます。」
「私事で恐縮ですが、今月をもちまして退職することになりました。」
「私事ではありますが、この度子供を授かりました。」
「私事」の言い換え
「私用」
「私用」は「しよう」と読みます。
「私用」は個人的な用事、または個人のために用いることを意味します。
「私事」と意味はほとんど同じですが、文字通り「用事」を表す場合に言い換えが可能です。
<例文>
「私用のため欠席いたします。」
「明日は、私用のため早退いたします。」
「私儀」
「私儀」は「しぎ」あるいは「わたくしぎ」と読みます。
「私個人のこと」を謙遜した表現です。
こちらはかなり形式ばった表現になるので、なかなか使いません。
辞表や就任あいさつ状などの正式な文書において、自分に関して述べるときの書き出しに使います。
<例文>
「私儀、この度取締役に就任することとなりました」
「私儀、今月末をもって○○株式会社を定年退職いたしました」
「私事」を使いこなそう
個人的な都合で会社を休む時や、予定に断りを入れるときに、その理由を必ずしも伝えないといけないわけではありません。
そういったときに「私事」は非常に便利な言葉です。
「私事ですが・・・」「私事で恐縮ですが・・・」と前置きを入れるだけで、クッション言葉になり、相手に物事を伝えやすくなります。
このような言い回しをいくつか覚えておくだけで、スムーズにコミュニケーションを取ることができるため、ぜひご活用ください。