「〜となります」の正しい意味や使い方は?誤用に注意してきちんと活用しよう
コンビニやレストランをはじめ、あらゆるシーンで使われています。
しかし、バイト敬語としてその誤用を指摘されることもしばしば。
特にビジネスシーンでは、きちんとした使い方をしたいですよね。
今回は「〜となります」という言葉を、混同しがちな「〜になります」との違いにも言及し、例文を含め解説します。
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【目次】「〜となります」の正しい意味や使い方は?誤用に注意してきちんと活用しよう
「~となります」という言葉の成り立ち
「~となります」の言葉の構成は、「と(助詞)+なる(動詞)+ます(助動詞)」と分解することができます。
「なる(為る、成る)」という言葉は複数の意味がある言葉、つまり多義語です。
例えば、「なる」には以下のような意味があります。
- 「物事が出来上がる。実現する。成就する。」
- 「今までと違った状態や形に変わる。」
- 「ある時分・時期などに至る。ある数値に達する。」
- 「ある働きをする。作用する。」
- 「許すことができる。許してよいとする。」
- 「その人によってつくられる。」
- 「全体がそれによって構成される。」
- 「他からその恩恵を受ける。」
- 「役や位につく。任命される」
- 「おちぶれる。成れの果てになる。」
このように「なる」には様々な意味がありますが、前に結果を表す助詞「と」がつく場合は、「何かが変化した結果」を表します。
そして、「~となる」に聞き手への丁寧な気持ちを表す丁寧語である「ます」をつけて成り立っています。
丁寧語なので、目上の人や取引先の方にも使うことができる言葉です。
「~となります」を使った基本的な例文
「~となります」は、以下の例文のように使います。
「おかげさまで、2店舗目をオープンする運びとなりました。」
「本日は雨天のため、運動会は延期となります。」
「資料が一部変更となります。」
「来月より、新しい人事体制となります。」
「~となります」を使う際の注意点
丁寧語である「ます」を語尾につけているので、「丁寧な言葉」として上司や取引先に、あるいはレストランやコンビニなどのお店であればお客様にもよく使う言葉です。
しかし、言葉の意味を分解して考えると、正しい使い方や間違った使い方がわかります。
「~となります」は変化した結果を意味するので、変化や結果を示さない事実を伝える場合には、基本的に「~となります」を使用することはできません。
変化を伴わないときには、「~となります」ではなく「ございます」「です」を使うのが適切です。
<例文>
「社長室はあちらとなります。」
→「社長室はあちらでございます。」
「お手洗いは2階となります。」
→「お手洗いは2階です。」
「~となります」と「~になります」の違い
一見違いがなさそうに見えて、場合によってはどちらを使ったほうがいいのか迷ってしまうこの2つの言葉。
「来年から中学生になります。」
「来年から中学生となります。」
どちらも違和感はないように感じます。
それでは、この2つの違いは一体何なのでしょうか。
「と」はビジネスメールのように比較的フォーマルな書き言葉で使われることが多く、反対に「に」は話し言葉で使われることが多いです。
さらに、「~となります」には、「〜になります」にはない強調を意識するニュアンスも含まれています。
例えば、以下はどちらも変わらないように感じるかもしれません。
- 「明日は出勤になります。」
- 「明日は出勤となります。」
ニュアンスとして、1は「いつも通りの出勤である」という自然な印象を受けますが、2は「何らかの原因や要因により、例外として出勤になっている」という強調のニュアンスが受けてとれます。
したがって、「~になります」は通常通りの状態変化を意味しますが、「~となります」は意外性や強調のニュアンスを含んでいます。
「~となります」を使いこなそう
仕事でもプライベートの場でもよく登場する「~となります」という言葉についてご紹介しました。
よく使われる言葉だからこそ、無意識に誤用してしまうこともしばしば。
言葉を正しく理解することで、相手とのコミュニケーションも円滑になります。
特にビジネスシーンにおいては、言葉の使い方ひとつで相手に与える印象も変わってきますので、ぜひ参考にしてみてください。