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「考案」は「こうあん」と読みます。
何かについて考えて工夫し、考え出すという意味を持っているこの言葉は、当てられている漢字からも意味がみてとれます。
「考」は音読みでは「こう」、訓読みでは「かんが(える)」と読みます。
小学校2年生で習うこの漢字は、漢検では9級で登場しますので、私たちにとってはかなり馴染み深い漢字です。
意味は訓読みの読み方が色濃く出ており、「かんがえる」「思いはかる」「思いめぐらす」などがあげられます。
これらの意味から派生して「調べる」「試す」「試みる」なども意味合いとして周知されています。
「案」は音読みで読むことが主流で「あん」と読みます。
しかし、実は訓読みでも読み方があり、訓読みの場合は「かんが(える)」や「つくえ」と読みます。
これには少し驚きです。
考案という言葉に当てはめられている漢字は、どちらも「かんが(える)」と読むことができるのです。
ここから見えてくることは、とにかくたくさん考えて結果を導き出そうとする姿です。
「案」は小学4年生で習う漢字で、漢字検定では7級に登場します。
「考」と同じく、早くから学ぶ漢字として馴染み深いと言えるでしょう。
意味はやはり「かんがえる」や「しらべる」という意味合いが強くなります。
「つくえ」という読みの場合はそのものずばり「机」や「台」のことを指します。
ちなみに、「案」という漢字には以下のような意味も存在します。
「予想」「計画」「あんずる」「心配する」
これらは日本固有の意味とされています。
「考案」という言葉にはいくつかの類義語が存在します。
それぞれの意味を踏まえて、状況に応じて言いかえをおこなえるようにしておきましょう。
案出とは「考案」との共通点がかなり多く、類義語として重宝します。
こちらも「工夫して考え出すこと」という意味を持っています。
案出と並んで「考案」の類義語としてあげられるのが「発案」です。
こちらは少しニュアンスは変わりますが、限りなく「考案」に近しい意味を持っています。
発案の場合も「案を考え出す」という意味があります。
この意味を汲むと「考案」の類義語として成立することが分かります。
ここで注意したいのは他の意味を持っている点です。
発案の場合、工夫して考え出すことだけではなく、それを最初に言い出すことという意味合いも強くなっています。
創案も「考案」の類義語としてあげられますが、「創」という漢字が使われることでニュアンスが微妙に変化します。
「創」という文字にはいくつかの意味がありますが、その中に「つくる」や「はじめる」のような意味があります。
新しく何かをつくることや、はじめて何かをつくりだすという意味もありますので、この辺りが「考案」などとは意味が少し異なります。
「創案」とは、なにかのものごとを一番最初に考え出すことであったり、最初に考えたことを指します。
分かりやすい表現の中に「思いつき」などもありますので、この辺りで微妙な違いをしっかりと覚えておきましょう。
「考案」の意味にも登場する「工夫」という言葉も、「考案」の類義語として扱われます。
ただ、「考案」と比べるとこちらも微妙にニュアンスが異なりますので、どちらを使用するのが適切か考えてから使用するようにしましょう。
工夫とは、いろいろと考えてよい手段をみつけることを意味します。
その考え出した方法や手段についても「工夫」とします。
「工夫をこらす」や「作業のやり方を工夫する」などの使い方をします。
「考案」にはとても似ている語感を持った言葉がいくつかあります。
似ている言葉とどのような違いがあるのか、逆にどのような共通点があるのかを知ることで、誤用を減らし適切に使用することができます。
どの言葉にも「案」がつくことから混乱を招き誤用を産みやすい言葉となっていますが、意味を理解していれば間違えることはありません。
しかし、同じ「案」という言葉が使われているように、共通する部分もあるため、必ずしも誤用になるとは限りません。
「提案」とは議案を提出することのように使われます。
これは「発案」も同じです。
「発案」はさらには新たな案を考え出すことという意味もあります。
これは「考案」や「立案」にも通じます。
そして「立案」とは計画を立てるという意味や、仕組むこと、設計することなどが意味としてあげられます。
これもよく考えてみると「考案」に通じるものがあります。
「考案」という言葉にもいくつかの意味や解釈があり「発明する」という意味などは「創案」と同じ意味となります。
「計画」や「謀略」なども「考案」の意味として用いられます。
ちなみに、「考案」と「創案」には「製作する」という意味もあります。
このように微妙な違いはあれど、共通する部分もありますので、これも類義語のひとつとしてうまく使い分けするとよいでしょう。
繰り返しお話ししているように「考案」は工夫して考え出すことです。
それに対し「検討」や「考察」「考慮」なども語感や雰囲気からしてとても似ている印象を受けます。
まずはそれぞれの意味を確認していきましょう。
ものごとを明らかにするため、よく調べ、考えをめぐらせることを意味します。
よく調べて考えることと言う意味では「考察」と似ていますが、それに加えてさまざまな面から1つのことを調べ、それが良いか悪いかを考えるという意味もあります。
なにかのものごとを、いろいろな要素をふまえてよく考えることを意味します。
全てにおいて「考案」と似ているのは、よく考えて答えを見つけ出すという点です。
ところが、意味から受け取る印象が少しずつ異なることが分かります。
使い分けについては以下のように考えると分かりやすいでしょう。
考察は、何かを成しえたことやその目的などと、考えるべきことを結び付けて考えることです。
検討は、考えるという言葉を熟語であらわしているため、複数のものを比較してそれらについて掘り下げて考えるという意味合いを持っています。
考慮は、すでにそこに存在するものを意識し、そこからどうするかを考えることです。
細かな違いとなりますが、こうして比較すると大きな違いがあることも理解しやすくなります。
どの言葉が適切か、うまく使い分けましょう。
考案とは工夫して考え出すことです。
この意味から、何かを作り出す、考え出すときに使うのが正しい言葉です。
類義語はありますが、敬語への言いかえなどは特にありませんのでオールマイティーな場で使える名詞として覚えておきましょう。
「私が考案した作業工程を試してみてください」
「誰も考え付かない方法を考案した彼女は一躍脚光を浴びた」
「前進するためにあらたな戦略を考案しよう」
「批判や考案があれば遠慮なく申し出てください」
「博士の考案で、研究は飛躍的に進化した」
「新しいデザインを考案しました」
例文をみてわかるように、自分の言動だけでなく、他者の言動にも使用することができます。
過去のことでも未来のことでも現在のことでも使うことができるうえに、相手の立場や関係性を気にすることなく使えますので、便利な言葉です。
「考案」という言葉についてお話ししました。
使い方は難しくないのですが、似ている言葉が多く混乱してしまいがちの言葉です。
なんとなくで使ってしまっても、意味が通じてしまうので誤ったまま覚えてしまうことも少なくはありません。
些細なニュアンスの違いや意味をしっかりと把握して、適切な言葉をチョイスできるようにしてください。
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