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はじめに、貯金・預金・貯蓄の違いを簡単に見てみましょう。
「お金を貯める」と書いて貯金、「お金を預ける」と書いて預金ですが、ほとんど意味は同じです。
2つの呼び名が存在する理由の一つとして「金融機関」が大きく関係します。
例えば、郵便局(ゆうちょ銀行)だと「通常貯金」、「定期貯金」というように「貯金」が使われています。
多くの民間銀行では「普通預金」、「定期預金」というように「預金」が使われています。
ただ、どちらの言葉もお金をどこかに「保管」するという意味なので、ほとんど違いはありません。
貯蓄は、「貯金・預金」とは異なります。
そんな貯蓄には大きく2つの特徴があります。
所得額のうち、残った部分のことを貯蓄と呼びます。
所得額とは、収入から税金などを控除した金額を言います。
分かりやすく言うと、「所得額=手取り額」です。
なお、所得額の計算方法は下記の通りです。
収入が40万円、税金が10万円 → 1カ月の所得額は40万円-10万円で「30万円」。
収入が50万円、経費が20万円、税金が5万円→1カ月の所得額は50万円-20万円-5万円で「25万円」。
例えば、1カ月の所得額が30万円の場合、生活費に毎月20万円使うと貯蓄額は「10万円」ですし、5万円しか使わなければ貯蓄額は「25万円」です。
同じ収入でも、消費金額によって変動するのが「貯蓄」なのです。
貯蓄の場合、貯金・預金だけではなく「株式、投資信託、積み立て式の生命保険」などの金融商品類も含まれます。
例えば、普通貯金を10万円、金融商品を100万円分保有している場合の貯金額は「10万円」ですが、貯蓄額は「110万円」です。
仮に所得額30万円のうち20万円を株式(金融商品)の購入に使ったとしても、「消費・浪費」ではなく、現金を別の貯蓄に回しているだけなのです。
貯蓄が大事だと聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?
しかし、どのぐらいの金額を貯蓄に回せば良いかピンと来ないですよね。
そこで、世の中の貯蓄額を知っていただくために世代別の貯蓄平均額を紹介します。
( 総務省 の2017年調査分(2人以上の世帯が対象)の資料を参考にしています)。
40歳未満の平均貯蓄額は「574万円」で、2015年調査時と比べ「34万円」ダウンしています。
過去10年の中では6番目に大きい金額です。
40代の平均貯蓄額は「1065万円」で、2015年調査時と比べ「41万円」アップしています。
過去10年の中では5番目に大きい金額です。
50代の平均貯蓄額は「1802万円」で、2015年調査時と比べ「51万円」アップしています。
過去10年の中で最も大きい金額です。
60代の平均貯蓄額は「2312万円」で、2015年調査時と比べ「90万円」もダウンしています。
過去10年の中で6番目に大きい金額です。
70代の平均貯蓄額は「2446万円」で、2015年調査時と比べ「57万円」アップしています。
過去10年の中で2番目に大きい金額です。
貯蓄の全体平均額は「1820万円」で、2015年調査時と比べ「15万円」アップしています。
60歳以上の平均貯蓄額をベースで見ると全体平均額を上回っていますが、59歳以下の平均貯蓄額をベースで見ると全体平均額を下回ることも分かりました。
いざ貯蓄をするとなっても、何にどれだけの金額を回せば良いか分からなかったりしますよね。
そこでこの章では、平均貯蓄額(1820万円)が何に回されているかの平均割合を紹介します。
参考にしつつ、貯蓄の割合を決めていただけると良いかなと思います。
(ここでも、 総務省 の2017年調査分(2人以上の世帯が対象)の資料を参考に紹介します)
通貨性預貯金は、自由に入出金ができる預貯金で、主に「普通貯(預)金」を指します。
金額は「412万円」で、平均貯蓄額の「22.6%」を占めていることが分かりました。
定期性預貯金は、自由に入出金できない預貯金(一部例外アリ)で、主に「定期預(貯)金」を指します。
金額は「727万円」で、平均貯蓄額の「39.9%」を占めています。
また、平均貯蓄額が250万円未満の人の平均額は「23万円」に対し、貯蓄額が2843万円以上の人の平均額は「2263万円」と100倍近くの差があることも分かりました。
生命保険は、積み立て式の医療保険・個人年金保険など、主に民間の生命保険会社で契約しているものを指します。
金額は「378万円」で、「20.8%」を占めています。
読者のなかには、生命保険の契約を考えた人もいるかもしれませんが、商品によっては元本割れするケースもあるので、ファイナンシャルプランナーのような専門家に相談しつつ、リスクも確認したうえで契約しましょう。
有価証券は、株式・社債などを指します。
金額は「265万円」で、「14.6%」を占めています。
貯蓄額が250万円未満の人の平均額は「2万円」でしたが、貯蓄額が2843万円以上の人の平均額は「1071万円」と500倍以上の差があることも分かりました。
しかし、有価証券の購入も生命保険と同様にリスクがある金融商品です。
急な値動きで、一瞬にして価値が落ちる場合もあるため勢いだけで購入するのは辞めましょう。
その他は、今紹介した4種類以外のものを指します。
金額は「38万円」で、「2.1%」を占めています。
貯蓄額が多いからと言ってお金持ち(資産家)とは限りません。
なぜならば、貯蓄以外に「負債」を抱えている場合があるからです。
一番わかりやすい例が、住宅・車などの「ローン」です。
極端な例ですが、毎月の所得が30万円。貯蓄額が「10万円」。
家のローン(負債)が「1億円」だとどうでしょうか。
多くの人は「生活が厳しそう」と思うはずです。
その人がお金持ちか判断するときは、貯蓄額と負債額を比較することを忘れないようにしましょうね。
最後の章では、お金を貯めたいと思っている人向けに、おすすめの貯金方法を2つ紹介します。
「経済的な不安を抱えている人」、「なかなか貯金額が貯まらない人」は必見です。
所得額が銀行に振り込まれた際に、自動で天引きするシステムを使うことでお金が貯まりやすくなるでしょう。
給与専用口座から自動で、別口座(貯金専用の口座)に振り込まれるシステムを利用すれば、自身で給与を移し替えなくて良いので便利です。
さらに、あらかじめ給与の一部を貯金へ回しておけば、「今月はお金を使いすぎたから、貯金ができなかった」ということもないので、貯金額を効率的に増やしやすいですよ。
定期預金を使えば一定期間出金できないため、無駄金を使わなくて済みます(一部例外もアリ)。
定期預金を利用すれば普通預金より利率が高くなる傾向も強く、若干ではありますが受取利息の金額が増えることも多いです。
ただ、即日出金したいと思ってもできないケースが多いので、必要最低限の金額は手元に残すことをおすすめします。
※合わせて読みたい: 節約術を知り貯金をしたいあなたへ。固定費や食費を削るコツとは?
貯金と預金は、保管してあるお金の(銀行などに預けている)額のみを指しますが、貯蓄は「貯金・預金」の他、生命保険や有価証券などを合わせた金額を指します。
積み立て式の生命保険・有価証券は運用商品として購入する人も増えていますが、絶対プラスになるとは限りません。
とくに、生命保険の場合は契約から解約までの期間が早いほど、損をする確率も上がります。
契約をするときは自身の経済状況、将来的プランを考えた上で決めましょう。
現在は、貯金・預金だけではなく「貯蓄」も大事だと言われています。
ただ貯蓄をする際は、どの資産にいくらほど注ぎこむかが大事になるので、専門家などの力も借りながら計画を立てることをおすすめします。
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