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労災のことを知ろう!労災保険の加入条件や手続きの方法を徹底解説






誰もが一度は聞いた頃があるであろう「労災」という言葉。

労災とは労働災害の略称で、この労災に備えて原則として働いている人すべてが労災保険に加入しています。
しかし実際にどのようなものが労災に当たるのか、また労災に見舞われた際の保険・保証内容については詳しくわからないという人が多いのではないでしょうか。

今回はこの労災について徹底的に解説していこうと思います。

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【目次】労災のことを知ろう!労災保険の加入条件や手続きの方法を徹底解説

 

労災とは何か

労災だと認められるケースとは

1. 業務遂行性という基準

2. 業務起因性という基準

労災だと認められないケース

基準を満たしていない

本人に重大な落ち度がある

労災保険の加入条件と加入対象とは?

労災保険の加入条件

労災保険の加入対象

労災保険料はいくらになる?

労災保険で補償されること

療養給付

休業補償給付

障害補償給付

傷病補償年金

介護保障給付

遺族補償給付

葬祭料

労災を受けるためには申請が必要

労災を申請できる人とは?

労災を申請する前に会社に相談すること

労災申請をする場合は病院選びが大切

申請に必要な書類

労災の申請には時効がある

さいごに

 

労災とは何か

 

労災とは何か?

 

労災とは「労働災害」の略称で、仕事が原因で怪我をしたり、病気を発症してしまうことをいいます。

下記のような些細なことから大きなことまで、仕事が原因で発生したものは全て労災となる可能性があります。

 

  • 職場のドアに指を挟んで怪我をした。
  • 建築現場で資材の下敷きになり大怪我を追った。
  • 職場のハラスメント被害に遭って、うつ病を発症した など

 

ただし、仕事中の事故による怪我や病気の全てが労災であると認定されない場合もあります。

 

 

労災だと認められるケースとは

 

労災だと認められるケースとは

 

労災と認められるには、怪我や病気が「いつ、どこで、何をしていて、どのような状況で」発生したのかをきちんと調査する必要があり、その上で労災であるかどうかが判断されることになります。

 

ある事故が労災にあたると判断されることを「労災認定」と呼び、このための調査と判断は労働基準監督署が行うことになっています。

労働基準監督署が調査を行い、「仕事によって怪我や病気が生じたものである」と認められた場合、労災認定がおりることになります。

 

それでは、怪我や病気が仕事中に生じたものであることをどのように判断するのでしょうか。

実は、労災を認定するかどうかの判断において、2つの判断基準が設けられています。

 

1. 業務遂行性という基準

 

1つめは「業務遂行性」と呼ばれる基準です。

これは怪我が発生した場合、仕事をしている状態だったのかどうかということです。

実際に業務をしている最中はもちろんのこと、途中で給水やトイレのために作業を中断している場合も含まれることになっています。

 

2. 業務起因性という基準

 

もう1つの基準は「業務起因性」と呼ばれる基準で、発生した怪我が仕事をしていたことが原因で生じたと言えるのかどうかということが判断されます。

病気を発症した場合も、この業務起因性という判断基準が重視されることになります。

 

例えば、うつ病を発症した場合、その原因が激務の日々が連続したということになれば、業務起因性が認められて労災が認定される可能性が高いと言えます。

一方で、家族や大切な人に不幸があってうつ病になってしまった場合は、仕事とは因果関係がなく、業務起因性が認められないので、労災認定はおりないことになります。

 

 

労災だと認められないケース

 

労災だと認められないケースとは

 

労働基準監督署の調査結果によっては、労災が下りないケースもあります。

どのような場合に労災がおりないのか見ていきましょう。

 

基準を満たしていない

 

先程ご説明した「業務遂行性」もしくは「業務起因性」といった判断基準を満たしていない場合は、労災認定がおりないケースがほとんどと考えていいでしょう。

例えば、事業所の備品を購入するために近所の文房具店に行く途中、転んで怪我をしてしまった場合は、業務遂行性が認められるかもしれません。

しかし、転んだ原因がその人に恨みを持った誰かに突き飛ばされた場合、仕事中の怪我であっても、仕事とは関係のない個人のトラブルが原因で怪我をした、つまり業務起因性は認められず労災認定はおりないということになるのです。

 

本人に重大な落ち度がある

 

もう一つの例として、社用車を運転しているときに事故を起こして怪我をしたと仮定しましょう。

この時、怪我をした本人が、道路交通法を順守しているにもかかわらず、事故に巻き込まれたという場合は、労災がおりるケースがほとんどでしょう。

 

ただし、本人が飲酒運転をしていたり、スマホを見ながら運転していた場合、話は別です。

労災については、本人の落ち度が重大である場合、もしくは怪我をした本人が何らかの犯罪行為をしていた場合には、保険の給付が制限されるのです。

その他にも、立ち入ると危険だとわかっているところに侵入して怪我をしたような明らかな過失がある場合も、同じように保険給付は制限されます。

ただ、そのような場合でも一部労災保険からの給付が受けられるケースもあるので、労働基準監督署の判断を仰ぐべきと言えます。

 

 

労災保険の加入条件と加入対象とは?

 

労災保険の加入条件と加入対象

 

次に、労災保険に加入する条件や対象となるのはどのような場合なのかについて、解説していきます。

 

労災保険の加入条件

 

まず始めに説明しておかなければならないのは、労災保険は従業員が加入するものではなく、従業員を雇う事業所が加入し、労働者に適用される保険であるということです。

事業者は、たった1人でも従業員を雇っている場合、労災保険に加入する義務があります。

ただし、官公署事業の非現業の職や、国の直営事業所、船員保険被保険者の一部の人などは、他の法律が適用されるため、労災保険に加入する必要はありません。

 

労災保険の加入対象

 

労災保険に加入できるのは、全ての労働・雇用形態で事業所に属している人が対象となります。

そのため、正社員だけというわけではなく、パート従業員やアルバイト、日雇い労働者など、すべての労働者が対象になり、これらの従業員を雇っている事業所は労災保険に加入します。

また、請負契約で働いている人や、代表権を持つ役員などは労災保険に加入できません。

ただし、役員でも仕事に従事して事業所から賃金を受け取っている場合は労災保険に加入することができますし、中小企業の事業主の場合は制度を利用して労災保険に加入できます。

 

労災保険料はいくらになる?

 

労災保険料は従業員に支払った賃金の総額に対して、労災保険料率をかけた金額を支払うことになります。

賃金の総額とは毎月の給与やボーナスを合計した金額です。

 

また、労災保険料率は労災の危険性の違いから、79/1000~3/1000まで事業種別ごとに細かく分類されています。

それらの率にかけ合わせた金額を、年に一度申告し納付することになります。

 

なお、労災保険料は事業者側が支払わなければならないもので、従業員が支払う必要はありません。

もし給与から天引きされているような場合は、事業者側の法律違反となるので、労働基準監督署に相談しましょう。

大抵の場合「労働基準監督署に相談に行く」と治まりますが、事業者側がそれでも天引きを辞めない場合は、実際に監督署へ赴き状況を説明すれば問題は解決します。

 

 

労災保険で補償されること

 

労災で補償されること

 

労災保険に加入して、労災が認定された場合、どのような補償を受けることができるのでしょうか。

 

療養給付

 

労災が認定された場合、怪我や病気の治療に必要となった費用の全額を国が負担してくれます。

これを「療養給付」といいます。

 

この費用は怪我や病気が「治癒」するまでの費用と定義されています。

「治癒」とは完治を含め、これ以上治療を施しても症状が改善する見込みがないという場合も「治癒」として扱われています。

このような状態を「症状固定」と呼び、症状固定までの治療費が給付されることになります。

 

休業補償給付

 

労災による怪我や病気が原因で、仕事を休まなければならなくなった時に受けることができる給付が「休業補償給付」です。

この場合、給与額の6割が休業補償給付によって補償されます。

また、給与額の2割が休業特別給付として支給されるので、合計で8割が補償されることになります。

注意しなければならないのは、この場合の給与とは、ボーナスなど臨時で入るお金の金額は含まれないということです。

 

障害補償給付

 

労災による怪我や病気が原因となり、後遺障害が残ってしまった場合に給付されるのが「障害補償給付」です。

先程ご説明した症状固定後も、後遺症として怪我や病気の影響が残ってしまった場合、治療費を支払うのではなく、後遺障害に対して補償給付が行われるということになります。

この給付を受けるためには、症状固定時に残った症状が後遺障害として認められる必要があり、認定された場合は後遺障害の等級に従って給付を受けることができます。

 

障害補償給付には障害年金、障害一時金、障害特別支給金があり、障害等級1級~7級の場合は障害年金の、8級~14級の場合は障害一時金の給付を受けることができます。

これらの給付金額は、労災が起こる前に支払われていた給与額を元に計算されることになり、休業補償給付と同様にボーナスなどの臨時金は計算に含まれません。

ただし、障害特別給付制度を利用すれば、ボーナス額も考慮に入れた金額を受け取ることも可能です。

 

傷病補償年金

 

労災による怪我や病気の具合が重い場合は、傷病補償年金を受けることができます。

重度の傷病により事故発生後1年6ヶ月を経過しても治療が完了してない場合に受けることができるもので、その中で一番軽い怪我でも、手の指をすべて失った状態もしくはそれと同等の傷病となります。

また、傷病補償年金の他に、傷病特別年金、傷病特別支給金を受け取れる可能性があります。

 

介護保障給付

 

先述した障害補償年金と傷病補償年金の給付を受けている人の中で、現在介護を受けている人が受け取れる可能性がある給付金が介護保障給付です。

介護保障給付は、障害等級1級の程度の重い障害を負っている、もしくは2級の精神神経障害、胸腹部臓器障害を負っている人が給付を受けることができます。

 

また、この場合の介護とは、親族による介護もしくは有料介護サービスを受けていることが必要となります。

老人ホームを含めた老人保護施設や、身体障害者の療護施設や病院に入所しているだけでは、介護を受けているとはみなされず、給付の対象から外れてしまうため注意が必要となります。

 

遺族補償給付

 

労災事故が原因で、従業員や労働者が死亡してしまった場合、その遺族に対して給付されるのが遺族補償給付です。

遺族舗装給付には2種類の給付金があり、全ての遺族に対して一律300万円が支給される「遺族特別支給金」と、死亡した方がそれまでに受け取っていた給与額によって支給金額が決定され、遺族がなくなるまで受け取り続けることができる「遺族補償年金」があります。

 

葬祭料

 

遺族補償給付のほかに、労災事故で死亡してしまった従業員や労働者に葬儀にかかる葬祭料が支払われます。

 

 

労災を受けるためには申請が必要

 

労災を受けるためには申請が必要

 

仕事中に怪我をしてしまったときは、労災の申請をしなければなりません。

後述しますが、労災について自分で申請をする可能性もあるため、その流れを理解しておくことは重要です。

 

労災を申請できる人とは?

 

労災の申請ができる人とは、怪我をした本人、その家族、または怪我をした従業員が所属する事業所のいずれかとなります。

一般的な企業で、労災申請の担当者が社内にいる場合は、事業所によって申請が行われるケースが多くなっています。

しかし、中小企業などで専門の担当者がいない事業所では、怪我をした本人が労災申請を行う場合もあります。

 

労災を申請する前に会社に相談すること

 

労災を申請する前に、会社(=事業所)に労災かどうかを相談することから始めましょう。

労災保険は従業員を万が一の時に守るための制度ですので、相談することに気後れする必要はありません。

 

労災申請をする場合は病院選びが大切

 

労災申請をするにあたり大切なことが一つあります。

それは、どの病院を選んで治療をするかということです。

 

労災に関する視点からならば、病院は2種類に分けられます。

それは「労災病院・労災指定医療機関」と「それ以外の病院」です。

労災申請をするときに、労災病院もしくは労災指定医療機関で治療を受けると、その場で治療費を支払う必要がありません。

つまり、無料で治療を受けることができるというわけです。

一方、それ以外の病院で治療を受けた時には、一旦治療費を立て替え、後日負担した費用が返ってくるという流れになります。

治療にいくらかかるのかは、怪我の程度によっては退勤となる可能性もありますので、できるだけ労災病院や指定の医療機関を利用することをおすすめします。

 

申請に必要な書類

 

労災申請に必要な書類は、厚生労働省のホームページや各自治体の労働基準監督署で入手することができます。

各申請に必要な書類は以下の通りです。

 

給付金の種類

必要書類の様式

提出先

療養(補償)給付

※指定の病院で治療を受けた場合

療養補償給付たる療養の給付請求書(5号)

療養給付たる療養の給付請求書(16号の3)※通勤中の労災

治療を行った病院

療養(補償)給付

※指定病院以外で治療を受けた場合

療養補償給付たる療養の費用請求書(7号)

療養給付たる療養の費用請求書(16号の5)※通勤中の労災

労働基準監督署

休業(補償)給付

休業補償給付支給請求書(8号)

休業給付支給請求書(16号の7)※通勤中の労災

障害(補償)給付

障害補償給付支給請求書(10号)

障害給付支給請求書(16号の7)※通勤中の労災

遺族(補償)給付

遺族補償年金支給請求書(12号)

遺族年金支給請求書(16号の8)※通勤中の労災

遺族補償一時金支給請求書(15号)

遺族一時金支給請求書(16号の9)※通勤中の労災

葬祭料(葬祭給付)

葬祭料請求書(16号)

総裁給付請求書(16号の10)※通勤中の労災

介護(補償)給付

介護保障給付・介護給付支給請求書(16号の2の2)

 

それぞれ必要な書類を病院もしくは労働基準監督署に提出し、労災かどうかの調査・審査が行われ、無事労災が認定されれば給付金が支払われることになります。

 

労災の申請には時効がある

 

労災を申請し給付金を受け取れる権利には、時効があるのを知っていますか?

時効を過ぎてしまうと給付金を受ける権利は失われてしまうので注意が必要です。

 

時効

給付金の種類

起算する日

起算日から2年

療養(補償)給付

療養に要する費用の支出が具体的に確定した日の翌日

起算日から5年

休業(補償)給付

労働不能のため賃金を受けない日ごとにその翌日

 

葬祭給付

労働者が死亡した日の翌日

 

介護(補償)給付

介護補償給付の対象となる月の翌月の1日

 

障害(補償)給付

傷病が治った日の翌日

 

遺族(補償)給付

労働者が死亡した日の翌日

時効なし

傷病(補償)給付

なし

 

 

さいごに

 

労災と労災保険について解説しました。

 

労災はいつ誰の身に起こってもおかしくありません。

そのため、労災に関する知識について理解しておくことが非常に大切になります。

 

また、労災は従業員を守るための制度です。

労災を申請することで、その後の生活に対しての不安を取り除けるメリットがあります。

しかし、労災を申請するデメリットというのは全くないといって過言ではありません。

万が一のことが起きてしまった際には、会社に依頼する、もしくは会社に協力してもらいながら速やかに労災申請をし、必要な給付金を受けられるようにしましょう。


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