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「留意」と書いて「りゅうい」と読みます。
この言葉はビジネスの場だけでなく、日常的に使われる言葉として広く知れ渡っています。
留意とはなんらかの物事を心に止めておくこと、またはそれに対して気を配ることを意味しています。
「注意」という意味も持っている「留意」は、誤用がかなり多い言葉として有名です。
二つの言葉の違いや使い分けについてもきちんと把握しておきましょう。
よく耳にする例文をあげてみましょう。
「留意事項」
「健康に留意する」
「服装に留意する」
一度はどこかで聞いたことがある例文です。
語感からも意味が汲み取れるように、それぞれに気を付けるという意味があります。
気を付けなければならないことがある時に「留意」という言葉を使用します。
「留意」という言葉を解体し、漢字1文字ずつの意味を知ることで、その言葉が持つ意味をもっと深く知ることができます。
少しの手間を惜しまずに調べることで、より一層理解は深まっていきます。
小学校5年生で習う「留」という字は10画で書くことができ、部首は「田へん」となります。
音読みでは「リュウ」や「ル」、訓読みでは「と(まる)」や「と(める)」と読みます。
名前に用いる場合は「たね」「とめ」「ひさ」のように読むことが一般的です。
「留」という漢字には、訓読みで登場する「留める」という意味があります。
「留まる」も一般的な意味として用いられます。
「とまる」という言葉に充てる漢字は「留まる」以外に「止まる」「泊まる」などがあります。
その違いは「止まる」は動いていたものがとまることで、「泊まる」は宿に泊まることや、船を港に泊めるなどの際に使います。
そして「留まる」は、とまったまま動かない場合を指すときに使用します。
小学校3年生という比較的早い段階で習う「意」という漢字は、総画数は13画で部首は「心(こころ)」になります。
読み方は、音読みでは「イ」、訓読みは常用漢字表内の中には当てはまるものはありません。
常用漢字表外だと訓読みが存在し、「おも(う)」や「こころ」と読みます。
名前に使う場合は用途が広く、「お」「おき」「おさ」「のり」「むね」「もと」「よし」などが代表的です。
「意」とは、心の動きであったり考えであったり、何かを思っていることやその働きというような意味があります。
「意」を使った言葉としてよくあげられる「意見」や「意志」なども、「意」という漢字が持っている意味としても通じます。
二つの漢字のそれぞれの意味がわかったところで、その二つを組み合わせて考えてみましょう。
留は動かない何かをとめておくこと。
意は心の動きや思い・考え、意見や意志を意味します。
つまり「留意」とは、心に留めておくことや、気を付けたいこと、頭の片隅においておくことのように覚えておくとよいでしょう。
ビジネスのシーンでは英語での文書作成なども欠かせない方も多いでしょう。
その際に「留意」という言葉はどのように使われるのか、例文を交えてご紹介しましょう。
「留意」は英単語では「attention」となります。
英語が理解できる方はすでにお気づきのことでしょう。
実は「attention」とは日本語では「注意」のほうが一般的です。
後程「留意」と「注意」の違いについては触れますが、日本語とはとかく難易度の高い言語であることから、このような現象は多々起こります。
つまり、「attention」は「注意」と訳すのが正解ですが、「留意」でも使えると覚えておいてください。
これを「留意」という単語ではなく「留意する」という形にすると以下のようになります。
「留意を促す」になると「warn」や「bring something to somebody's attention ~」のようにも変化します。
冒頭で登場した「留意事項」などは英語にすると「an important notice.」となります。
「important」は「重要」、「notice」は「注目」や「告知」「通知」「通告」などに訳せますので、「留意」の持つ意味に近くなります。
それではここからは、「留意」と「注意」の違いや使い方についてお話ししていきましょう。
まずは「注意」という言葉の意味から紐解いていきます。
「意」という漢字は「留意」にも含まれていますので、詳細については割愛します。
ここでは「注」の方をみてみましょう。
小学校3年生で学習する「注」という漢字は、総画数は8画、部首は左側についている「さんずい」です。
音読みでは「チュウ」、訓読みでは「そそ(ぐ)」と読みます。
留意とよく間違われる「注意」には以下のような意味があります。
「気を付けること」「気を配ること」、または「警戒すること」「用心すること」などです。
「細心の注意を払う」などの言葉があるように「心を集中させて気をつけること」という意味合いも強くなっています。
この辺りを踏まえて「留意」と比較すると、「注意」のほうが強制力が強い印象を受けます。
使われている2つの漢字を見ても「注」と「意」となっていることから、気持ちや注意などを物事へ集中して「注ぐ」のように受け取れます。
確かに「留意」よりも「注意」が推奨されるときというのは、ただ気に留めるだけでもよい「留意」とは異なります。
「注意」を使う場合は、物事に対して強く意識をするように促したり、神経を集中しなければならないシーンでよく使われます。
ニュアンスや持っている本来の意味がそれぞれ異なることはわかりました。
しかし、「留意」も「注意」も「気を付ける」という意味合いが強いことでは共通しています。
つまり、この2つの言葉は「類義語」となります。
類義語ということは、同じ意味でも状況やシーンに応じて言い換えることが可能な言葉となりますので、誤用が多くなるのは仕方ありません。
先ほどの「注意」の意味を踏まえて、「留意」と「注意」の明確な使い分け方をご紹介しておきましょう。
もう少し補足を加えると、留意の場合は、長時間・長期間を要して継続するときに使用することができます。
逆に注意の場合は、短時間のことや、瞬発的なその場限りのことに気を付ける時に使用すると効果的です。
「留意」と「注意」を使用した例文をいくつかご紹介します。
例文をみるとかなり使い方の違いが分かりやすくなるでしょう。
こうして例文を比較してみると、使い方の違いが大変分かりやすくなります。
「留意」という言葉についての解説をしました。
とかく誤用が多い代表格ともいえる「留意」と「注意」ですが、実はここにさらに「用心」なども入ってくることもあります。
確かにどれも何らかの事柄に対し「気を付ける」という意味がありますが、少しずつニュアンスが異なります。
そのニュアンスを明確に理解するには、言葉が持つ意味をきちんと理解するのが一番です。
しかし、それだけで違いがみえてこない場合は、ご紹介しているように使われている漢字から意味を紐解くのも有効な手段です。
似ているからこそ誤用を減らしたい「留意」という言葉。
ぜひ参考にして上手く使いこなしてみてください。
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