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普段からよく車を運転する方にとって、運転免許証を紛失することは大ダメージとなります。
しかし、滅多に車を運転する機会が無い方の場合、免許証を紛失しても今すぐ困るわけではないので、ついつい手続きなどを後回しにしがちです。
ただ、運転免許証を紛失するということは大きな損害を被ることになったり、意図せぬ事件への関与を疑われたりなど、とりかえしのつかないケースが降りかかってくる可能性があります。
「時間ができたら再発行に行けばいいか」などと考えているようでは危険です。
忙しくて時間が無かったり、警察まで行く距離が大変だったりなど、何かと理由をつけて後回しにしていると大変なことになりかねません。
そこでまず最初に、運転免許証を紛失するとどうなるのか、起こり得るトラブルについてお話ししていきましょう。
免許証には顔写真が付いているので、本人以外は使用できないと思い込まれがちですが、他人を欺くことはそう難しいことではありません。
公的な身分証明証を出すことで「少し似ている」程度の人物を用意すれば、いとも簡単に悪事を働けてしまいます。
その中でもっともリスクが高いのは「お金に関するトラブル」です。
写真付き身分証明証は、並み居る公的な身分証明証の中でも威力が高くなります。
つまり、お金を借りることができる場所で悪用されるリスクが高くなるということなのです。
お金を借りられる場所といえば消費者金融を筆頭に、ヤミ金などが代表的となります。
きちんとした大手の消費者金融の場合は本人確認作業をきちんと行うのでリスクは少なくなりますが、ヤミ金の場合はそのあたりが不透明です。
免許証を紛失するということは、知らない所で自分名義の借金が発生する可能性があるということを肝に銘じておきましょう。
また、この手のお金に関するトラブルに巻き込まれるケースで怖いのは、知らない所からの請求書が届くまで悪用されていることに気づかないところです。
これはクレジットカードの偽造や不正利用と同じですので、普段から注意が必要となります。
運転免許証の悪用で多いケースその1は携帯電話の契約です。
免許証には写真がついているので、勝手に契約なんてできるはずがないと思われるかもしれません。
このようなケースでターゲットになるのは、各携帯電話会社のショップではなく家電量販店などです。
家電量販店の本人確認が杜撰というわけではありませんが、携帯電話会社のショップに比べると比較的ガードが緩やかなことがあります。
大手量販店の場合は、まとめて数多く購入する方も珍しくありませんし、人の出入りも多いため犯罪者が紛れ込むにはうってつけです。
あなたが紛失した運転免許証で契約された携帯電話や携帯端末は、発覚するまで好き放題に使用することが可能です。
例えその不正契約した携帯電話や携帯端末を使用していなかったとしても、本体をオークションなどで転売している可能性もあります。
そして、当然それらの端末代金や使用料はあなたへと請求される仕組みになっているのです。
銀行ほどの場所が、写真付き身分証明証の不正利用を許すとは、なかなか信じがたいかもしれません。
しかし、運転免許証を不正利用したケースに多いのは、先ほどご紹介した「携帯電話の契約」と「銀行口座の開設」なのです。
どれほど頑丈なセキュリティを誇っていても、人間の手で行われることには必ず穴があります。
その穴をかいくぐって行われるのが不正利用だということを覚えておきましょう。
銀行口座も携帯電話の契約と同じで、複数の口座を開設されることとなります。
そして、その口座が作成されたことは、これまでお話ししているとおり何らかの疑惑や犯罪が起こってから気付きやすいものです。
銀行の口座というのは犯罪に利用することができます。
そのため、闇のルートでは口座の売買も行われています。
架空請求やオレオレ詐欺に始まり、マネーロンダリングなど、どのように使用するか考えるだけでも背筋が凍りますよね。
このようなことが起こらないためにも、銀行や警察は監視の目を光らせており、怪しい口座開設が複数おこなわれた場合、これ以上その名義での口座が開設できないようにと各銀行にお触れを出すこともあるそうです。
銀行から突然連絡が入り、警察から口座の本人確認を行うように、またはこれ以上口座を作らせないようにとお達しがあったと聞かされて、はじめて紛失した運転免許証が悪用されていることに気づくというケースも多いようです。
怖いのは、すでに再発行している免許証があるにもかかわらず、このような不正使用での口座開設ができてしまうということです。
ただ単純に免許証を紛失し、然るべき手続きを取り再発行を行ったからと言って、安心ではないということも頭の片隅に置いておきましょう。
運転免許証は、写真つきであるためにかなり重宝する身分証明証となります。
その反面、紛失してしまうと個人情報の漏えいが著しくなります。
お金の次に、家、お金と同等、もしくはお金以上に価値のある個人情報が運転免許証を紛失することで危険にさらされます。
直接的にお金が関係していないトラブルになりますが、そのせいで最終的に金銭面でのトラブルにつながるケースがこれです。
身分証明証として重宝される運転免許証は、闇のルートでは格好の餌食です。
犯罪者が逃亡するための新しい身分証明証として使用することなど、たやすいことなのです。
これが日本ではなく海外にまで渡ってしまうと、当事者がその悪用に気づくにはかなりの時間を要するでしょう。
また、そのような闇ルートに流されてしまうことで、あらぬ疑いをかけられたり、ブラックリストに載ってしまう危険性も否めません。
運転免許証にはその方の顔写真に現住所や本籍、生年月日など、ありとあらゆる大切な個人情報が表面に記載されています。
これらを悪用することで、見ず知らずの心無い人からの容赦ない攻撃を受けるケースもでてきます。
住所がわかるのでデリバリーを大量に注文されることや、レンタルショップの会員になり、借りたまま返却せず莫大な延滞料金を請求されるように仕向けるなどがあげられます。
しかし、これらについては大変ではありますが、もっと怖いいたずらも起こります。
それがインターネットを使った拡散です。
リベンジポルノに近い形になりますが、拾った免許証をネット上にアップするといういたずらです。
昔はスキャナーなどを使用しなくてはパソコンへの取り込みは難しかったですが、現在はスマートフォンなどのカメラで撮影してしまえばそのままアップすることが可能です。
一度ネットにアップされてしまったものは、完全に消去することはほぼ無理だと考えておきましょう。
女性だけでなく男性でも注意したいのがこのケースです。
顔が分かっている、住んでいる場所が分かっている。
これは脅威以外の何物でもありません。
ストーカー被害というのは、直接的な影響以外にも精神的な被害が大きくなります。
また、昨今ではストーカー犯罪が異性であるとは限りませんので、何処にいても逃げ場がなく辛い日々となる可能性もあります。
それではここからは、免許証を紛失した場合何をするべきかについてお話ししましょう。
免許証を紛失した場合には、とにかく急いで行動に移してください。
少しでも早く行動に移すことが、犯罪に巻き込まれたり、金銭的な不利益を被るリスクを抑えることに繋がります。
運転免許証を紛失したらおこなう対処はたったの3つです。
たった3つではありますが、どれも馴染みのないことばかりです。
それぞれでどのようなことを行うのかなど詳しくご説明いたしましょう。
免許証を紛失してしまった、または盗難に遭った場合は速やかに警察に届け出を提出します。
再発行を行うより先に警察に行くと覚えておいてください。
紛失した場合は「遺失届」、盗難に遭った場合は「盗難届」を提出することになります。
警察にまず届け出を提出することで、紛失した免許証が警察に届けられているかどうかを確認することができます。
さらには紛失届や盗難届が提出されていると、万が一悪用された場合でも不正利用された金銭の支払い義務が無くなります。
ちなみに、届け出をするのは最寄りの交番でも地域の警察署でもどこでも大丈夫です。
警察署の場合は「会計課」が担当していることが多いようですが、受付で紛失した旨を伝えたほうが確実です。
もし特定のエリア(デパートや駅など)での紛失の可能性があれば、警察で手続きを済ませた後、電話などで連絡をしておくのも賢明です。
場合によっては直接伺って手続きをする必要が出てくるかもしれませんが、これも大事なことですので忘れずに行いましょう。
警察に諸届を提出した次に行うのは免許証の再発行です。
ここで注意すべきことは、免許証の再発行が完了するまで車を運転することはできないということです。
いくら警察に紛失届を出していたとしても、手元に免許がない状態で運転を行うことは「免許不携帯」として罰則対象になります。
免許証の再発行は以下の場所でおこなうことが可能です。
お住まいの地域によって変動がありますので、一番良いのは紛失届を出す際に警察に確認しておくことです。
大抵の場合土日祝や年末年始などは受付を行っていないことが多いので、その点も事前に確認をしておくことをおすすめします。
原則、持ち主の方が住民登録している都道府県で再発行を行うことが可能です。
本籍地でなくても大丈夫ですのでそこは安心してください。
運転免許証を紛失してしまい再発行する時には以下のものが必要となります。
再発行先に用意されている書類は以下の2つが必要となります。
「運転免許証再交付申請書」はその名のとおり、免許証を再交付してもらうために必要な書類です。
この書類は警察署にも用意されている場合があります。
警察署で紛失届を出す際にもらえれば、先に記入して持参できるので時間短縮につながります。
「運転免許証紛失顛末書(てん末書)」は再発行先に用意されています。
状況によっては警察で紛失届を提出する際に、一緒に作成することもあるようです。
てん末書については、その先々でサインで済む場合もあれば、書類を作成する場合もあるなど手続きが異なりますので、指示に従っておこないましょう。
再発行の申請に必要となる証明写真は1枚で大丈夫ですが、念のために予備を持っておくと安心です。
街角にあるスピード写真で撮影したもので問題はありませんが、サイズは「免許証用」にするのを忘れないようにしてください。
たて3cm×よこ2.4cmのものがそれに当たります。
印鑑についてはスタンプタイプのシャチハタのようなものは不可とされますので、認印を持参しましょう。
身分証明証は、「保険証」「年金手帳」「住民票」「外国人登録証明書」のいずれかを用意しておけば大丈夫です。
気になるのが、再発行の際に必要となる「再発行手数料」の金額です。
再発行手数料は3,500円となっていますので、事前に準備しておきましょう。
大方の予想通り、免許の再発行の手続きにはかなりの時間を要します。
即日発行を希望される方は「運転免許センター」か「運転免許試験場」がおすすめです。
しかし、この2つでの手続きは多くの場合、半日は潰れると思っておいてください。
即日発行でなくても良い場合は「警察署」での手続きがおすすめです。
おおよそ2~3週間後に受け取りに行かなければならないのがデメリットですが、手続きの時間は短く済みます。
いかなる理由があっても、委任状を準備していても、免許証の再発行の手続きは本人のみしか行うことはできません。
それはたとえ血縁者となる家族でも同じです。
これは免許証の更新を行うときも同じですので、免許に関する手続きを行うときは本人のみと覚えておきましょう。
忘れがちな対処がこの部分です。
この手続きを怠ると、不正利用されて口座を作成されたり、クレジットカードを作成されてしまったりなどに巻き込まれてしまいかねません。
申請するべき信用機関は以下の3つとなります。
全銀協(全国銀行個人信用情報センター)
JICC(日本信用情報機構)
CIC
上記の銀行系・信販系・クレジットカード系の信用情報機関に届け出をしておくことで、悪用されるのを事前に防ぐことが可能です。
きちんと申請しておけば、第三者が紛失した運転免許証を使用して口座を開設したり、カードを作ることを防げます。
「全銀協」は郵送のみで受付をおこなっています。
「CIC」と「JICC」は郵送か窓口、どちらかでの受付が可能です。
それぞれに必要な書類や手続き、手数料が異なりますので事前に確認しておくとよいでしょう。
無事いろいろな手続きを完了し、免許証の再発行が完了しました。
その後、紛失したはずの免許証が見つかった場合は、見つかった古い免許証は返納しなければいけません。
返納の手続きは再発行などと同じく、「警察」や「運転免許センター」か「運転免許試験場」でおこなうことが可能です。
場所によっては交番や駐在所でも手続きが可能な場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
警察など以外の場所(デパートや駅など)にも紛失したことを連絡している場合は、できれば見つかった旨を連絡しておくのがマナーです。
免許証を紛失したらどうなるか、再発行をするにはどうすればいいかについてお話ししました。
どうしても免許証などの身分証明証の再発行となると時間がかかってしまいます。
そのため、すぐに必要でなければついつい対処を後回しにしてしまいがちです。
しかし、今回お話しした通り、免許証は写真つきでありながらも簡単に悪用することが可能なのです。
知らないうちに犯罪に巻き込まれてしまわないように、速やかに対処のための行動に移りましょう。
どうしても時間が取るのが難しい場合は、せめて警察への届け出だけはおこなっておきましょう。
そうすれば、各信用機関に紛失したことを申請することが可能となり、悪用を未然に防ぐことができます。
手間と時間は少しかかりますが、難しい手続きはありません。
一番良いのは免許証を紛失しないことです。
できれば普段から免許証を紛失しない工夫をしておくとよいでしょう。
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