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役不足って何?力不足との違いと正しい使い方






役不足の語源から意味と正しい使い方、関連を紹介します。

皆さんは役不足という言葉を正しく使えているでしょうか?
役不足の成り立ちには歌舞伎など演技の役が関係しており、言葉の意味は役目が「実力不相応に軽いこと」です。

力不足との違いは実力が役目より上なのが役不足、下が力不足です。
類義語としては、朝飯前・楽勝。反対語は力不足、大役すぎるがあげられます。

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1.はじめに

 

皆さんは「役不足」という言葉の意味をしっておりますでしょうか。

そして、混同しがちな「力不足」との意味の違いについても理解をされていますでしょうか。

本記事では、「役不足」の意味を踏まえた上で、役不足の言葉の成り立ちから誤用の多い「力不足」との違い、使い方までを紹介します。

 

まずは、「役不足」についてご紹介していきます。

 

2.「役不足」の意味と成り立ち

 

「役不足」の意味

 

①俳優などが、自分に割り当てられた役に対して不満を抱くこと。

②その人の力量に比べて、役目が軽すぎること。

(出典:広辞苑第六版)

 

俳優という言葉が登場しましたが、「役」とは演技の役のようです。

それでは「役不足」の成り立ちについてご説明します。

 

「役不足」の成り立ち

 

歌舞伎座

 

歌舞伎などで、役者が実力よりも低い役を与えられることからできた言葉です。

まず、「役」には「与えられた仕事、国からの任務、責任ある仕事」という意味があり、「不足」には「満たされない」という意味があります。

これが合わさると「満たされない仕事」。つまり「この仕事をしても自分は満たされない、簡単な仕事」となるのです。

 

自分の実力が与えられた役目よりも上なのが「役不足」ということですね。

それでは、同じように「不足」という言葉が用いられる「力不足」とはどのような意味なのでしょうか?

 

 

3.「力不足」との違い

 

「力不足」の意味

 

与えられた職務・役割を果たす力が足りないこと。

(出典:広辞苑第六版)

 

「力不足」と「役不足」の違い

 

意味の違いをまとめると、実力と役目の比較により、実力が役目より上の場合は「役不足」。

役目を果たすだけの実力がない。つまり、実力が役目より下の場合は「力不足」となります。

 

両者の意味と違いが分かったところで、それぞれの使い方を見てみましょう。

 

 

4.「役不足」と「力不足」の例文と関連語

 

役不足の例文

 

・彼には係長では役不足だ。

・役不足のような気がする。

 

力不足の例文

 

・落選は私の力不足によるものです。

・私の力不足ですみません。

 

意味や例文をご紹介してきた上で、お気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、「役不足」を使う上での注意点があります。

それは、使い方によっては自信家と思われるかもしれないということです。

 

もし、仕事において何か任務を任された場合。

「役不足ではありますが、この任務を務めさせていただきます。」 と言ってしまったらどう相手方に伝わるか?

 

「こんなつまらない仕事。私には簡単にできますが、まあ、やってあげましょう。」

オーバーな表現かもしれませんが、嫌みな伝わり方をしても文句を言えない使い方です。

 

このような場合 「力不足」 に置き換えると適切な表現になります。

「力不足ですが、この任務を務めさせていただきます(頑張ります)。」

 

使い方を間違えると大変な言葉でもある「役不足」。

どのような場面での使用が適切なのか。それは、こちらが下手に出るときです。

具体的には何か仕事をお願いするときに「役不足かもしれませんが、引き受けていただけませんか?」というように、相手の下手に出て使うのが失敗を無くす方法なのかもしれません。

 

逆に「力不足」は自分の実力を控えめに言いたいときに使うのが適切です。

上記の「力不足ですが、頑張ります。」など、こちらから相手に謙虚・謙遜を示す場合にはもってこいの言葉だと思います。

 

ここまで役不足や力不足の意味や例文をご紹介し、使用上の注意をお伝えしてきました。

できれば役不足・力不足の関連語も合わせて覚えておきましょう。

 

「役不足」の関連語

 

・類義語 → 朝飯前、大したことない、楽勝だ、敵ではない

・反対語 → 力不足

 

「力不足」の関連語

 

・類義語 → 不適任、荷が重い、不適任、能力不足、未熟

・反対語 → 役不足

 

もうお分かりでしょう。「役不足」と「力不足」は反対語なのです。

しかし、実力の不足と役目の不足が正反対と言い難いことから、反対語とされていると言った方が適切なのかもしれません。

 

また、「役不足」の関連語として「役者不足」をあげることができます。

しかし、これは辞書に載っていない造語です。

 

意味としては「役者の数が足りていない」と解釈するしかないのですが、「役不足」と同じ意味で使用されたり、逆に反対語として使われえることもあるそうです。

造語なのでわざわざ使う必要がないとは思いますが…

 

 

5.最後に

 

ここまで、ご覧いただきありがとうございます。

「役不足」と「力不足」の意味、語源、使い方と注意点について紹介しましたが、両者が反対語であるか否かについては疑問の残る結果となってしまいました。

 

しかし、反対語が不明なものやはっきりと反対と言えない言葉も数多く存在しています。

反対語について思いを巡らせることなどないとは思いますが、「役不足」に最適な反対語を探してみるのも楽しいかもしれませんね。


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